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2004年10月07日

スペインにおける国家と地域 ~ ナショナリズムの相克

リーガ・エスパニョーラに興味を持ったサカオタは、FCバルセロナはカタルーニャ・ナショナリズムの旗艦であり、カスティーリャ中央政権の象徴であるレアル・マドリーとの一戦は、その代理戦争なのだと教えられます。
スペインからの分離・独立の動きが盛んなバスク地方のクラブ、アスレティック・ビルバオは、バスク人による純血主義を貫いており、スペインの他の地域出身の選手を採用しないのだと教えられます。
あるいは、リーガ・エスパニョーラの隆盛と比較してスペイン代表チームが好成績を残せないのは、スペインは地域的、民族的な多様性を抱える特殊な国家であるため代表チームとしてまとまることが困難なのだと教えられます。
しかしデポルティーボ・ラ・コルーニャを始めとしたガリシアのクラブについて、バルサやビルバオと同様のハナシを耳にすることは殆どありません。それに地域主義やナショナリズムが存在するのは決してスペインだけに限ったことではありません。

ガリシアに興味を持ったときに最初に浮かんだ疑問のひとつは、カタルーニャやバスクと同様に独自の言語を有し自治権を獲得している地域でありながら、これらの地域と異なり民族の独立が高らかに謳われているわけではないのは何故なのだろうということです。
フェロルの出身であるフランコが、ガリシアを含むカスティーリャ以外のあらゆるナショナリズムを弾圧しカスティーリャ語以外の言語の使用を禁じたのはなぜなのか。そのフランコ政権の要人であったマヌエル・フラガ Manuel Fraga のような人物が、未だにガリシアで力を持っているのは何故なのか。
こうしたことを理解するためには、ガリシア及びスペイン全体の政治的な歴史と思想を辿る必要があるわけですが、スペインにおける国家と地域 ~ ナショナリズムの相克という書籍はこの需要に応えてくれる貴重なものです。
編者のひとり立石博高さんのウェッブサイトにはしがきがが掲載されていますので、そちらで概要は理解できるかと思います。カタルーニャやバスクを個別に論じた書籍は幾つかありますが、ここではこれらの両地域とガリシアに加えて、独自の言語を持たないアンダルシアの、それぞれの地域主義やナショナリズムが詳説されており、それらの地域、そしてスペインという国家を理解する上で大きな助けとなってくれます。
全てのリーガオタは必読。

Category: ガリシアのお勉強
Posted 2004年10月07日 22:37

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